韓国：KCマーク

KCマーク

概要

韓国のKCマーク（Korea Certification Mark）は、製品が韓国の技術基準や安全規格に準拠していることを証明し、消費者に安全な製品を提供するためのものです。KCマーク制度は、消費者の安全を確保し、製品事故の予防を目的として導入されています。

管轄組織

KCマーク認証制度の管轄組織は、主に韓国産業技術試験院（KTL）や韓国認証安全協会（KTC）など、複数の認定機関によって運営されています。また、認証の種類によっては、韓国政府の各部門（RRA:国家技術標準院や産業資源部など）が関与します。製品の種類に応じて、これらの機関が適切な認証プロセスを監督します。

対象製品

KCマークの対象となる製品は多岐にわたり、電気・電子製品、機械設備、家庭用品、玩具、化学製品、建築資材など、広範囲にわたります。特に消費者の健康や安全に直接影響を与える製品は、厳格な認証を受ける必要があります。製品カテゴリごとに異なる技術基準が適用され、適合性評価が行われます。

評価側面

KCマークの認証は、製品の特性に応じて、主に以下の評価側面から成り立っています

機械安全

機械装置や設備に関しては、機械安全に関する規格に基づいた評価が行われます。この評価は、機械装置が安全に操作され、使用中のリスクを最小限に抑えることを目的としています。

• 評価規格：ISO 13849-1（機械安全に関する制御システムの安全要求事項）やKS B 6033など

電気安全

電気製品は、消費者の安全を確保するために、電気安全に関する規格に準拠する必要があります。これには、電気ショックや火災のリスクを防ぐための設計と試験が含まれます。

• 評価規格：IEC 60335-1（家庭用および類似の電気機器の安全性）、KS C IEC 60950-1（情報技術機器の安全性）

EMC（電磁両立性）

EMC評価は、製品が周囲の電子機器と干渉せず、かつ外部からの電磁的な影響に対して適切に動作することを確認するために行われます。これには、電磁放射や耐性試験が含まれます。

• 評価規格：IEC 61000-4-2（EMC試験の基本技術仕様）、KS C 9835（電磁波の発生制御基準）

認証までのプロセス

KCマーク取得のプロセスは、以下の手順を経て進められます：

1. 適用基準の確認：製品がどの認証基準に該当するかを確認し、必要な技術資料や試験データを準備します。
2. 認証申請：認定機関に対して正式な認証申請を行います。製品の仕様や試験結果、製造工程に関する書類が必要となります。
3. 試験・検査：申請された製品は、規定された基準に基づいて試験が実施されます。第三者機関による試験が求められる場合もあります。
4. 認証取得：試験に合格した場合、認定機関よりKCマークが発行されます。このマークを製品に表示することで、販売が許可されます。
5. 事後管理：認証取得後も、韓国市場での販売を続けるために定期的な監査や再試験が必要になる場合があります。

認証マーク

KCマークは、製品が韓国の規制に適合していることを示す統一認証マークです。このマークは、製品に明示的に表示される必要があり、消費者が製品の安全性を確認できる重要な目印となります。

罰則など

電気用品及び生活用品安全管理法施行規則に基づき、KCマークの表示がない製品や、虚偽の表示を行った製品は、韓国政府によって厳しい罰則が科される可能性があります。これには、製品の販売停止、罰金、製品のリコールなどが含まれます。また、違反が繰り返される場合、企業に対する行政指導や事業活動の制限も行われることがあります。

参考URL

• 韓国産業技術試験院 (KTL)
• 韓国認証安全協会 (KTC)
• 韓国国家技術標準院 (KATS)