米国NRTL認証

米国市場での要求
米国市場では、合衆国連邦法29 CFR 1910.7に基づき電気・電子製品、ガス機器、防火装置、爆発リスク環境で使用される製品などに対してNRTL(Nationally Recognized Testing Laboratory)認証が要求されます。NRTL認証は米国OSHA(労働安全衛生局)の認可を受けたNRTL試験機関でのみ可能です。評価側面は原則電気安全が中心となります。
SAFTEX株式会社はNRTL試験場との独自のネットワークにより、迅速かつ効率的なNRTL認証サービスを提供しています。
代表規格
主に産業現場で使用される機器の評価に適用される規格の代表例を以下に示します。
UL508 (Industrial Control Equipment)
- 工業用制御機器の安全要件を定めた規格です。制御盤や制御機器に対する基準で、電気的・機械的な保護を提供する設計や製造のためのガイドラインが含まれます。この規格は、制御スイッチ、コントローラー、リレー、サーモスタット、サーボドライブ、モーターコントロールセンターなどの電気制御機器が対象です。 工業用機械における制御機器のNRTL認証取得のために、UL508への適合は不可欠です。工場や製造設備で使用される機器がこの規格に適合していることが要求されるため、広範囲にわたる産業機械の制御システムに適用されます。
UL508A (Industrial Control Panels)
- 工業用制御盤(Industrial Control Panels, ICPs)に関する設計および製造の安全基準を定めた規格です。制御盤とは、複数の工業用制御機器をまとめて設置した装置であり、制御システム全体を包括的に扱います。回路保護、短絡保護、過負荷保護、適切な絶縁などの安全要件が定められています。UL508Aは、機械や工場内で使用される制御盤に適用されるため、UL508が単一の制御機器に焦点を当てているのに対し、UL508Aは複数の制御機器が設置された制御盤全体の設計や安全性をカバーしています。工業用制御盤全体のシステム。例えば、産業ロボットの制御システムや生産ラインの制御盤などが対象です。
NFPA70 (National Electrical Code, NEC)
- 米国における建築物や産業施設の電気システムの設計・施工・保守に関する規定を定めた包括的な規格です。電力配電システム、回路保護、接地、配線方法など、電気機器と建物の接続に関する要件をカバーします。米国内のすべての電気工事事業に適用され、工業用機械が設置される環境での電気配線がこの規格に準拠していることが要求されます。したがって、機械製品がどのように設置現場で接続されるか、また現地の電力システムにどう適合するかが評価の対象となります。
NFPA79 (Electrical Standard for Industrial Machinery)
- NFPA79は、産業機械における電気システムの安全に関する詳細な規定を定めた規格です。この規格は、機械内部の電気システムの設計、保護、メンテナンスについて詳細な基準を提供します。NFPA79には、制御回路の設計、電源の遮断機構、電線の選定、制御盤内のワイヤリングなどが含まれます。NFPA79は、産業用機械そのものの電気システムに焦点を当てており、工場内で使用される産業機械の内部電気配線が安全であることを確認するために重要です。この規格に準拠することで、機械が安全に運用できるようになります。機械全体の電気システムに適用され、特に産業機械の内部制御システムの安全性などが対象です。
米国規格について
UL(Underwriters Laboratories)規格
- ULは、製品の安全性を評価・認証する独立した試験機関であり、特に電気機器や産業用制御機器の安全規格(=UL規格)を策定しています。産業用電気機器や制御機器のコンポーネント類は、NRTL(Nationally Recognized Testing Laboratory)認証を取得し、製品が米国の安全基準に適合していることを示す必要があります。電気機器や制御盤に関しては、UL 508(工業用制御機器) や UL 508A(工業用制御盤) への適合が広く要求されます。ULは、火災、安全、環境に関するリスクを評価するための基準を提供し、製品の市場投入における安全基準を確立しています。
- 優先度:
- 制御機器や制御盤: UL 508、UL 508Aの適合が非常に高い優先度となります。
- 電気機器全般: 製品のカテゴリに適合するUL規格(例:UL 61010など)が優先されます。
- URL: https://www.ul.com
NFPA(National Fire Protection Association)規格
- NFPAは、火災予防と公共の安全を確保するための標準・規格を策定する非営利の国際団体です。NFPA規格自体は、製品の認証を行うものではありませんが、法的な要求事項として遵守が必須です。特に、産業機械の設置や電気システムの構築時において、NFPA 70(NEC: National Electrical Code)への準拠が要求されます。これは、据付時の工場側電源系統と機械の接続、配線、接地などを対象としています。また、NFPA 79(Electrical Standard for Industrial Machinery)も、産業機械の電気安全を確保するための設計基準として広く使用されます。米国内の電気工事や機械設置に関する多くの規制がこれらのNFPA規格に基づいています。
- 優先度:
- NFPA 70(NEC): 電気設備全般の配線、接地、設置環境に関する包括的な規格で、最も優先度が高いです。電気工事の設計・施工段階ではこの規格への準拠が不可欠です。
- NFPA 79: 産業機械の電気システムの設計・製造において高い優先度を持ち、工場の機械制御システムに関わる場合には必須に近いものと考えられます。
- URL: https://www.nfpa.org
ANSI(American National Standards Institute)規格
- ANSIは、米国内の標準規格の調整と承認を行う非営利団体であり、他の標準化機関(UL、NFPA、NEMAなど)が策定した規格を国家標準として承認します。ANSI規格そのものは法的に必須ではありませんが、ANSIが承認した規格(UL、NFPA、NEMAなど)は機械の設計、製造、設置において重要なガイドラインとして利用されます。多くの場合、米国の法的要件や工場の安全基準がANSI承認の規格に基づいているため、間接的に必須となることが多いです。特に、ANSI B11シリーズ(機械安全)は機械ツールの安全基準として広く使用されています。
- 優先度:
- 機械の種類に応じて参照される規格が異なるため、製造する機械がどの規格に該当するかを確認することが重要です。
- 産業用ロボットなど特定の機械では、**ANSI/RIA R15.06(産業ロボットとロボットシステムの安全性)**などの規格が高い優先度で参照されます。
- 基本的には、製品が該当する業界の安全基準(例:工作機械、プレス機など)を網羅するANSI規格の適用が推奨されます。
- URL: https://www.ansi.org
NEMA(National Electrical Manufacturers Association)規格
- 概要: NEMAは、電気機器の製造業者を代表する業界団体であり、電気機器の製造、設置、使用に関する標準規格を策定しています。NEMA規格は法的に必須ではありませんが、電気機器の製造・設置において、製品の互換性、性能、安全性のためのガイドラインとして広く使用されます。有名なものではNEMA 250(電気機器の筐体)では産業用機械に使用されるエンクロージャーの保護等級を定めており、防水性・防塵性を判断するために参照されます。欧州ではIP等級が使用されます。
- 優先度:
- 機械の電気システム設計や設置に関する基準として、NEMA規格への適合は重要ですが、ULやNFPAに比べると優先度は若干低いと言えます。
- エンクロージャーの選定やモーター・発電機の仕様決定においては、NEMA規格の参照が推奨されます。
- URL: https://www.nema.org
その他の関連規格
ISA(International Society of Automation)
- ISAは、オートメーションと制御システムの標準規格を提供する国際団体です。制御システム設計に関する規格(例:ISA 84 - 産業用制御システムの安全性)は、産業機械の制御システムの安全性を確保するために参照されるべきです。
- URL: https://www.isa.org
産業現場で使用される機械・機器に関しては、UL、NFPA、ANSI、NEMA、OSHA、IEEE、ISAのほかにも、参照すべき重要な規格や標準がいくつか存在します。以下に、それらの代表的な規格や標準と発行団体について説明します。
RIA(Robotic Industries Association)規格
- 産業用ロボットおよびロボットシステムの安全に関する規格として、Robotic Industries Association (RIA)が策定します。ロボットの導入や運用における安全性を確保するため、これらの規格は非常に重要です。
- 関連規格:
- ANSI/RIA R15.06(Industrial Robots and Robot Systems - Safety Requirements): 産業用ロボットの安全要件を定めた規格で、ISO 10218(産業用ロボットの安全性)をベースにしています。ロボットの設計、設置、運用におけるリスクアセスメントと安全対策をカバーしています。
- URL: https://www.robotics.org
ASTM(American Society for Testing and Materials)規格
- ASTM(American Society for Testing and Materials (ASTM International) )は、材料や製品の特性評価に関する標準規格を策定する団体です。材料、製品、システム、サービスに関する標準規格を策定する団体であり、特に工業製品の試験方法や性能基準に関する規格を提供します。産業機械の部品や材料の特性評価、建築材料の難燃性試験(ASTM E84)などの規格があります。
- URL: https://www.astm.org
CSA(Canadian Standards Association)規格
- CSAは、カナダの標準化団体ですが、米国でも産業用機械の認証に関してCSA規格が参照されることがあります。特に、電気機器や制御装置に関するCSA規格は、北米全域で重要です。
- 関連規格:
- CSA C22.2 No. 14(Industrial Control Equipment): 工業用制御機器の安全要件に関する規格で、整合規格ではないもののUL508と共通部分が多い。
- 発行団体: Canadian Standards Association (CSA Group) は、カナダの国家規格を策定する非営利団体です。
- URL: https://www.csagroup.org
関連リンク
認証スキーム
認証スキームにはいくつかの種類があり、最適な方法を選択する必要があります。まずはご相談ください!
北米出荷製品に対しては、NRTL認証だけではなく設置サイトでの一台毎の評価制度であるField Evaluation(主に据付型の機械類が)、組み込み型の半製品に対するRecognizedマーク、モデル毎の製品評価と定期工場監査を実施するListing、ロット毎の抜き取り評価を行うBatch listingなど、いくつかの認証・適合性評価方法があり、製品の出荷台数や使用場所・環境等により適切な認証スキームを選択する必要があります。SAFTEX株式会社はメーカー様の状況をヒアリングした上で、これらのスキームから最も適切な方法をご提案致します。
最新情報・詳細は、SAFTEX株式会社へお問い合わせください
初めての海外出荷案件で何をすればよい? 過去に認証・宣言を行った製品の引き合いを受けたが何をすれば? 現状の対応に問題はない? 疑問があれば、まずはお気軽にお問合せください。